休職日記

【 桜の街からの旅立ち 】

今年度で、寮から出て行かなければならない。
寮に居ると、家賃が安いので、生活費(というか遊び代(爆))が浮くので、
正直言うと、出ていきたくない。引越し代も馬鹿にならないし・・・。
しかし、ある日、総務課のロボット課長から送信されたメールを見て、気分を害した。
「在寮期間満了なので、退寮をお願いします」という気に留める必要のないメールだが、
語尾に、「とっとと出て行け!!邪魔だ!!」という意図が誰にでも読取ることの出来る
非常に不快なメールだった。
「自分でお金を稼いでいないのに、高飛車すぎる!!」
「人を見下ろした感じがする!!」
全ての人がそうではないと知っているが、そんな印象が強い総務課の中心に
近い人物からのメールだった。
最もロボットだからかなりの反感を買っていることに気がつく感情はないが・・・。

そんな訳?で引越し準備を開始したのですが、正直1人で全てをこなすのは辛い。
仕事が楽な季節であれば、ここまで苦しく感じないが・・・。
(というかこの季節が毎年一番忙しい)
しかも、仕事の状況は最悪。未だに仕様が固まらない。
(仕事が取れたのが、11月末で3月納品という時点でかなり無理があるが・・・)
緊迫して仕事している状態と重なっているので精神的にかなり辛い。
そんな状態で、引越し作業を開始する。まずは家探し。
本来なら12月初旬から家探しを開始したかったが、住みたい地域が
決まらなかった。(優柔不断)
結局、重い腰を上げて探し始めたのが1月中旬。
自分で家を探すのは初めてだったが、とりあいず、周りの意見を参考に
ネット上で、狙いを定めた地域の物件を探し始める。
良さげ物件を10数件ピックアップして一気に問い合わせる。
しかし、その後に会社の規約を見て、重大な事実が発覚する。
家賃補助が2年間しか出ないことが判明する。
仕方がないので、家賃の上限を下げて、再度検索を行う。
当然だが、自分の希望条件を満たす物件が大きく減った・・・。
良い物件が見つからず、一旦検索を終了する。
その後、勤務中(爆)に、こっそりというか堂々と(おぃ物件を探し続ける。
探し続けて10日位でようやく良い物件を見つけ、即決定した。
物件を探すのに正直疲れた。結果として発熱する。1日棒に振ることとなった。
気を張り詰めていた。緊張の糸が切れたことによるものだとは思うが、
腑に落ちない何かを感じていた。

まだ、やるべきことはある。退寮届をいつ出すか?
不慮の事故による備品の破損をどうするか?引越業者の手配をどうするか?など、
まだまだ準備すべきことは多い。
一番嫌なのは、備品の破損に対する対応である。ある程度の支出するのは、
仕方がないことだが、そのことを総務課ロボットに報告しなければならないのが、
非常にシャクに障る。その事を隠して出ていっても良いが・・・。
規約上に要相談とあるので、仕方が無く相談するが、
「自分でなんとかしろ!!」という予想通りの無機質な答えが返ってきた。
業務をこなしながら、自分で業者を探して呼ぶのは辛い作業である。
せめて、困っている人に対して協力しようという姿勢位見せてくれても良いのでは?
またしても、気分が害された。
賃貸住宅であれば、ある程度敷金から補充費用が出るが、寮だから敷金の概念はない。
気の効く会社であれば、安く済ませるための方策を持ち合わせていて、必要最低限の
費用だけ社員に請求してくれても良いはずだ。
それなら、一言現状回帰と明記しておけ!!その方が無駄に精神をすり減らさなくすむ。
おかげで、精神力に痛恨の一撃を食らったのと同じ位のダメージを負った。
無駄に期待を持たす規約の書き方を見て、正直腹が立った。

このように無駄に人をいらただせる総務課ロボットにより、毒を食らったような日々を過ごす。
その結果、精神的に疲弊する。もちろん原因はそれだけではない。
引越し作業の準備と忙しくなってきた仕事との両立に疲れてきたというのが最大の原因だが。
正直言って危なくなってきた頃に精神科受診の日を迎える。
医師に現状を報告し、話を聞いた結果、引越し鬱が存在することが判明した。
実際に、気を張り過ぎて鬱になる人はいる。
私も危なかった。気を張って疲れていた。
このままほっておくと、胸の痛みを伴う苦しみの悪夢が甦っていたかも知れない。
気持ちを切り替える。気を張らず、気楽に引越しを考えるようにした。
それ以降、精神的には平穏な状態が保たれた。
理由はどうであれ、気を張り詰めると鬱状態を呼ぶことになる。一つ教訓を得た。

その後、各種手続き(住民票を移す作業は平日しか出来ないのでフレックス利用)や部屋の清掃、
荷物の詰込み(といっても作業員に手伝って貰う方式を利用)を行った。
結局、住居を決定してから半月足らずで、寮を引っ越すことになった。
本来なら期限ぎりぎりの3月下旬にしたかったが、その頃には、仕事で現地へ飛んでいるのは
目に見えている。そんな訳で2月中旬に引越しすることにした。
もちろん、寮の料金を払う上で最も効率の良い週の土曜日に・・・。

桜の印象が強い住んでいた街だが、流石にこの季節は桜は咲いていない。
天気は晴れ。雨でないだけましだった。最後の清掃を済ませて寮を旅立つ。
別にこの街への不満はない。会社への通勤が1時間ではなく30分であれば、
きっとこの街に残っていた。それに新しい街には不安はある。
会社への利便性と友人の家への利便性だけで選んでしまったから・・・。
いろいろな思いを乗せて、桜の街から旅立っていった・・・。
目の前にせまっていた地獄の日々を忘れて・・・。


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