休職日記

【 3ヶ月 】

すっかり寒くなってきた。
関係はないが、昨日、札幌で記録的な大雪が降っていた。
先週、精神科は繁盛していた。受診者がロビーに溢れていた。
月末だったせいだろうか?
診療まで2時間待ちの待ちは総合病院に通院するようになって2番目の記録だった。
ちなみ最長は4時間待ちである。
(次の日が祝日だったので、2日分の患者がいたため)

すっかり通院するのに慣れてしまった。
初めて通院した時には緊張していたのに、今では長い待ち時間の
暇潰し方法を身につけている。
周りを見る余裕がある。
今日、忙しなく精神科を覗いている女性がいる。
若いサラリーマン?と一緒に来ている。多分、親子だろう。
初めて精神科を受診しに来たらしい。
案の定、診察に40分位掛かっていた。

何事も初めての時は初々しいものだ。
ふっと、初々しい頃の自分を思い出し、今いかにすれているかを悟る。
「初心忘するべからず」。
時には、初心を思い出すことが今後の人生に於いて必要な気がする。
そもそもこの文章自体、未来の自分への戒め(予定)にするつもりで
書いているのだから・・・。

通院先は、2箇所ある。
一つが総合病院で、もう1つが会社の診療所である。
医師のレベルは、会社の診療所の方が明らかに高い。
総合病院の方の医師は腰掛け医師である。
通院初めの頃に比べるとずいぶん落ち着いたように見えるらしい。
確かに最初の頃、すっかり頭が学生に戻っていたから当然かも知れない。
順調に社会復帰にしていると医師に言われ、正直ほっとしている。

そして、予想を裏切り遂に12月を迎えた。
正月まで残り一ヶ月である。
今月は休みが少ない。年休も既に半分消化(爆)してしまった。
とりあいず、今の目標は年末札幌に帰省すること。
この1ヶ月の生きがいである。

その間、仕事も変わった。
前のプロジェクトは、プログラミング(ccレベルのコンパイル完)の途中で
それ以上作業する環境が無いという理由で終了した。
恐らく、バグは沢山あるだろう・・・。(テストもしてないから当たり前)
今後、最悪の場合、バグ取り作業依頼があるかもしれない。

そして、今のプロジェクトに入る。
仕事量は大したことないが、雲行きは怪しかった。
ユーザ要件が固まっていないプロジェクトだった。
ユーザ要件を固めるのに手間どったプロジェクトはほぼ100%火が吹く。
過去、火の吹いたプロジェクトは、プログラミングをしている時点で、
仕様が完全に固まっていない。曖昧な答えが返ってくるだけである。
現実、仕様を聞いても返答に困っているケースが非常に多かった。

仕事場がその後、開発センターに移動した。
普通、ここまで来れば、後はプログラミングとテストをがんがんするはずなのに、
グータラ仕事をしている。確かに一杯彼らは働いているのかも知れない。
でも、私から見れば、集中しないで適当に仕事をしているのは、
仕事をしていないと同じである。
こんな調子で、本当に仕事は完了するのか?
不安は現実のものになろうとしていた。

11月末になってやっと、課長、部長がこのプロジェクトは危ないということを
本気で認識したらしい。
急に親会社の課長や家の会社の部長、課長が来ていたので、
そろそろ動きがあるな?と内心思っていたら、
案の定、私の所に話が来て、仕事量が増えた。
このプロジェクトの中では一番作業が進んでいると自負しているし、
そこから進まない理由も説明してある。

理由は明確である。
「1ヶ月も前に終わっていなければならない環境設定が
未だに完璧でないこと」が最大の理由である。
この問題は深刻である。
・プログラムのコンパイルがライブラリ未設定のため、完了しない。
(DBをバージョンアップした影響だと思うが・・・)
・テストするための環境がないため、自分で作成することはめになった。
(つい最近まで誰もテストをしていなかった。)
・既存のシステムの改修作業なので、テストに既存のデータを使いたいが、
 入手まで2週間以上掛かったり・・・。
(一番欲しいデータがまだ入手出来ていない(爆))
など、言い出したら愚痴が止まりそうもない。
他にも、プロジェクト管理を行っていないといった論外な状況もある。
(進捗グラフの更新はプロジェクト管理ではない。
 品質の管理が最大の目的のはず。金銭の管理の側面もあるが・・・。)

結局、家の会社でも「モラルハザード」が、
起きていたことが証明された。
前の仕事でも、この程度のレベルでよくシステムエンジニア、プログラマーと
名乗れる人を見かけた。
(自分の作ったプログラムもテスト出来ないなんて論外!!)
外注さんでも、明らかに業務用プログラムを作った経験が無いのが、誰から見ても
分かるレベルの人が増えた。

正直言って、嫌である。
休職する原因の1つに、レベル低い上司に当たり、まともに考えすぎたことがある。
今回のプロジェクトもレベルが低い。
悪いが、まともに付き合いたくない。また倒れるのは御免だ。
前は、他所の会社の人だった。でも今回は家の会社の人だ。

内心、凄く寂しいものがある。
私は休職して悟っていた。
地獄のように仕事に追われ、知識を得る時間も奪われ、
いつの間にかレベルが落ちてしまったと・・・。哀れである。
昔、彼らと仕事したことがあるから無能ではないことは知っている。
しかし、時が経ち、私と同じく仕事に追われる内に、成長が止まってしまった。
だから、何時の間にか彼らは仲良しクラブの中でしか仕事が出来なくなっていた。
多分、彼らは気がついていない。
彼らの中に事実を認め、指摘できる人物はいない。
私は、彼らを反面教師にして仕事をしないいけないと思う。

環境が出来ていない理由は、実はもうひとつある。
環境作成担当者が倒れたためである。
(それでも1ヶ月遅れは論外だが・・・)
彼は、私よりちょっと前に休職していた人だった。
この前、本社に戻り、探りを入れたが、ある時期からずっと休んでいる。
その前に、入院もしていた。
つい最近、プロジェクト担当者名から彼の名前が消えた。
今のプロジェクトで再び心が傷ついたのか?
同じ休職経験を持つ私にとって衝撃的事実である。
彼がこのプロジェクトで倒れたということは、私もこのプロジェクトで倒れる
可能性があることを意味する。
正直言って恐い。
来年6月まで働くことが目標である私にとって、精神と肉体をぼろぼろに
されたくない。
今のところなんとか自衛に成功しているが、この先うまく行くか保証はない。
彼の二の舞になる訳にはいかない。

目標に理由はある。
12月仕事が増えたので、さすがに少しは残業しなければならない。
復職してから今まで1度も残業をしない。
(残業する理由もないし、する気もない。)
しかし、焦って残業時間を増やしてもすぐ倒れるのは目に見えているし、
彼らと同じ時間働こうとしても、朝遅刻して会社にやってくるだけである。
(元遅刻、欠勤の帝王が言うセリフではないが・・・)
しかも、3つ前のプロジェクトから現地作業のお呼びも掛かっている。
彼らは、3ヶ月という時間が経ったから大丈夫だと思っているらしい。
(会社には、心の病を持つ人間に対する接し方のマニュアルすらないが・・・)
しかし、心の病は一定の時間が過ぎれば大丈夫ではない。
私の心に不安がないといったら嘘になる。
心の病を持った人間が復帰する厳しさを今、身を持って感じている。

しかし、増えた仕事も含めて今月に終わらせないと正月に帰省することはできない。
他の人は、先週の金曜日も徹夜だ。
状況が厳しいのは分かっているが、それは彼らの責任である。
私は私の責任を果たした上で、正月に帰省することを主張するつもりである。

体調は、あと1ヶ月なんとか持つと思う。
この3ヶ月、風邪で倒れたり、頭痛で倒れたり山はあったが、
今は体の疲れだけで、仕事を終わればそれなりに充実した日々を送れている気がする。
だから、この1ヶ月今のペースを守りつつ仕事と趣味の世界を両立して
生活したいと思う。

P.S 両立に失敗した場合は多分タイトルが変わるでしょう。(爆)


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