休職日記

【 暑さが産出すもの 】

新しい通院先も決まり、復職の日がいよいよ現実を帯びてきた。夏真っ盛りの時期である。
こっちの夏ははっきり言って暑い。北海道出身で、しかも人一倍暑さに弱い。
昼、会社で食事をするために往復するだけで汗だくになり、リカバリするまで、
30分〜1時間も掛かるほど弱い。
夏になると、「こんなところ人の住む場所じゃない!!」と毎年思ってきた。
幸いなことに、夏は毎年、他社に常駐出張していて、冷房が全く効いていない会社に
残ることはなかった。冷房の効いた他社でそれなりに快適に過ごしてきた。
(夏に会社に残っていれば、熱中症で倒れるのは必至・・・。)
今年の夏も不本意な形だが、冷房の効いた寮で暑さをやり過ごすことが出来る。
その代わり、電気代は請求書を見たくないほど掛かるが・・・。
例年と違う点は、ジメジメした梅雨を札幌で過ごしたため(北海道は梅雨が無い)、
こっちの湿気満点の天候に体が馴染んでいなかった点である。
それは、自分が気が付かない内にボディブローとして次第に効いてきていた。

「眠れない」 今まで何度も訪れた事象だ!?
札幌の居ることと同じように睡眠薬を飲んで、同じような寝る前の儀式をしているにも係わらずだ。
寝る時の冷房の温度を調整しても、タイマを調整しても改善されなかった。
寝付くまで当然かなり時間を要するので、朝起きても体力が回復しきらない。
1日や2日なら精神力で耐えられる。それが1週間以上続けば疲労を隠すことは出来ない。
鏡で自分の顔を見るとやつれているのが解かる。
体質的に疲れると逆に目が冴えて眠れない!!という訳の解からない体質も今回の経験の中で
判明している。(これは他にも同じ人がいると精神科の医師から聞いた)
今、そんな状況の真っ只中に自分は居る。
この状況を克服しないと、会社に復職しても耐えるだけの体力が無いのは明白である。

ちょうど、産業医とも面接の日が近かった。
悩みというには情けないかもしれない事態だが相談してみる。
顔色の悪さを見逃さなかったのだろう・・・。話は真剣に聞いてもらえた。
体力が落ちた状態。心に不安を抱えた状態で復職しても無駄というのは、医師の判断として当然だった。
当初、8月復帰の予定だったが、復職予定日がとりあいず1ヶ月先に延期された。
睡眠を取るアドバイスを貰って帰宅する。
しかし、貰ったアドバイスを試したが自分の体質に合わないせいか?残念ながら効果はなかった。

暫く、暑さ故に眠れない日々が続く。体力も徐々に奪われて行く。生活のリズムも狂い始めていた。
「このままではやばい!?」
秋になり、涼しくなってくれば生活のリズムは戻ってくると思う。
しかし、それでは来年の夏を乗り切ることが出来ない。仕事に復職しているはずなのだから・・・。
内心、焦りを感じていたある日ふとテレビを見る。
夏の安眠特集をやっていた。
この手の番組はいつもなら気にも留めないのだが、今抱えている問題と
ちょうど合致していたので、珍しく見てみる。
その番組の中に試してみるべき、情報があった。
1つは、寝る直前に運動をしてきたが、行なう時間帯によっては安眠を阻害するということである。
今まで睡眠1時間前に行なってきたが、この時間帯に行なうのは逆効果だと判明する。(爆)
2〜3時間前に行なうと効果があることが解かったので、運動する時間を変えることにした。
ちなみに問題?の睡眠1時間前は、照明を暗くし、体を睡眠に向かわせるのが効果的らしい。

もう一つは、高熱で寝込んだ時に使う「水枕」が夏の安眠に効果があるということである。
確かにひんやりしそうだし、費用もそう大して掛かるものではない。
早速、「水枕」を購入して実際に使ってみる。
確かに水枕のひんやりとした冷たさが確かに深い眠りに誘う気がした。実際、心地良かった。
効果としては、「眠れる」と思うことが出来た。これは非常に大切な気がした。
プラスアルファの効果として、寝るための努力をしているという気持ちが生まれ、
眠れないと焦る気持ちを相殺している。
事実、その後睡眠状況は、以前と比べてそれなり改善された。
ベストではないが、普通に生活するには耐えられるだけの体力の回復が出来るようになった。

そして、気がつけばお盆直近だった。
仕事で罠に嵌められない限り、毎年帰省していた。避暑を兼ねて・・・。
睡眠にまだ苦しんでいる今、体力を回復するため北へと旅立っていった。(逃げともいう)


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