休職日記

【 精神科への違和感 】

前に会社の上司、産業医に会ってから2週間の時が流れた。
それは、2回目の産業医との面談を意味する。
これに関する異議は全くない。珍しく行く必然性を感じていた。
何故なら札幌で療養中に使っていた軽い精神安定剤と睡眠薬を貰える場がここしかなかった。
流石に近所の薬局に行って買えるものではない。
次の通院先が決まれば、産業医に会わなければならない必然性は弱まるのだが・・・。
産業医の居る場所に行くには、寮から約1時間掛かる。
しかも、途中3回乗換える必要性がある。
乗車時間は意外と短いのだが、乗継ぎの便は結構悪い。待たされると結構憂鬱になる。
心の中で文句を言いつつ、最後の関門の警備員に社員証を見せ、何とか?産業医の元に辿り付いた。

産業医との話は、2週間の生活状況が中心である。
「こっちで、札幌に居たころと同じ感覚で暮らす事が出来るか?」
これが、非常に重要なことだった。
今のところ特に問題は無かった。
単に遊びや生活環境の改善に忙しくて集中した日々を送っていたからだと思う。
産業医も表情から見て取れたらしい。ほっとした安堵の表情が見えた。

帰り際、教わった精神科クリニックに電話する。
「予約は1ヶ月半後なら受け付けます。」、電話の向こうから冷たい返事が聞こえた。
とりあいず、納得出来ないが一旦電話を切り、急遽産業医の所へトンボ帰りする。
流石にこのまま帰ることは出来ない。自分の身に関わることだけは真剣に対応しないといけない。
産業医にさっきの電話の件を説明した。
産業医直々に直接さきほど教わった精神科クリニックに電話した。
返事は一緒だった・・・。
昔は直ぐ予約を入れることが出来たらしい。当然、他の社員を紹介したことのあるところだった。
今の企業は、働く環境が最悪である。はっきり言って精神的ストレスがもの凄く掛かる。
日本人は、肉体的な傷に関しては気を使うが、精神的な傷に関しては精神論だけ唱えて無関心だ。
(ストーカーとか交通遺族等精神的なものに関しては、警察が全く取り合ってくれない等。)
だから、そのクリニックでも急激に需要な延びたのだろうと勝手に解釈した。
仕方がなく、産業医に別の場所を紹介してもらった。
それは、会社の近くにある総合病院だった。
ここなら、任意の日に行っても問題がないということだったので、そこに決まった。
再度の帰り際、会社に報告するため、電話を入れる。
当然の事だが、会社が嫌いな私にとって最も嫌な時間である。頭に雨雲が掛かったような感覚に陥る。
簡単に状況を報告して電話を切る。この瞬間、雨雲は晴れて気分は青空になる。
その瞬間は自分でも気にいっていた。

翌週、紹介してもらった総合病院に行く。ちょうど海の日の前日だった。
札幌で毎週水曜日に通院していたので、そのリズムを壊したくない。
そんな思いから選んだ初通院日だ。
しかし、今考えると、その前の日にでも行くべきだった・・・。
受付は午前中しかやっていない。
通勤ラッシュを避けたいのと朝1番に診察に並んで受けたい人との競合を避けたかったので、
少し遅めに受付に行く。総合病院だけあってまず、全体の受付を済ませないと行けなかった。
以前、別件で通院したことのある病院だったが、その時使った受付カードは既に紛失(おぃ
していたので、新規受付の手続きを行ない、精神科の個別受付へ向かう。
休日の前日ということで、かなり混雑していた・・・。
「失敗した。」 心の中で後悔した。
結局、診療開始は、午後になってからだった。
後にも先にも「診療開始が午後になりそうなので食事をしていたらどうですか?」と
言われたのはこの時だけだったが・・・。
食事をした後もしばらく待ち、診察を開始は13:30位だった。
既に3時間以上も待っている・・・。正直くたくたである。

やっと、診察が始まった。
札幌で受診していた医師から受け取った紹介状を渡し、事情を説明する。
今後の受診スケジュール等の話が中心だったが、担当医の態度は最悪だった。
正直、診察する医師の態度に心を感じることはなかった。
機械が流れ作業で、マニュアル通りの事をやっている感じがした。
総合病院という安定した組織に居るせいか?給料を貰っているから診察してやるみたいな
態度が見えてしまった。
気が重くなった。
もし、ここが初めての精神科の通院だったら・・・。正直、ぞっとする。
多分、直ぐに精神科不信となり、会社へ復職する道は立たれていたと思う。
「精神科なんか何の助けにならない。」と感じていたのは間違いない・・・。
今は、心に余裕がある。
だから、札幌で使っていた薬を貰うだけの場と割切ることが出来た。
今後、好印象に変わることがあるかも知れない。
今日は忙しかったから疲れていたのかも知れない。自分に都合の良いように考えることが出来る。
そういえば、札幌では医大から独立して開業した個人経営の小さなクリニックに通院していた。
患者を掴むには、経営努力は大手病院より何十倍も努力しなければならない。
だから、患者を大切する態度が目に見えたのかも知れない。
それに比べ、今回の通院先は大都市で交通の便の良いところにある。
しかも、かなり大きい総合病院である。
患者は黙っていても数多く来院してくる。だから、医師の態度が大きくなるのかもしれない。
そんなことを感じつつ、診察は終了した。帰路の足取りは重かった。
「しばらく、ここに通院しなければいけないのか・・・。」
通院して初めて、精神科への違和感、不信感を感じていた・・・。


Return