休職日記

【 通院慣れに潜む罠 】

人間慣れとは恐ろしいものである。
4月になると、すっかり通院にも慣れ、当初感じた不安、緊張感などは何処かへ消えた。
会社で送っていた地獄のような生活の記憶は消え、このまま仕事をせず、
一生楽して暮らせたら・・・。そんな不謹慎な気持ちも芽生え始めていた。

今年の札幌の雪解けは、例年と比べると遅いらしい。
それでも、自転車が乗れる程度まで溶けてきたので、地下鉄代の節約と
少しでも運動するため、精神課に自転車で通院するようになった。
会社に勤める前は、スケートリンクのように凍った道さえ平気で
自転車に乗り、よく遠くまで遊びに行っていたが、今はもうそれをやる勇気はない。
(注:道産子だからといって冬に自転車を乗る人間は皆無)

毎週水曜朝9:40〜11:00の間に通院する規則正しい日々。
完全予約制なので、診察まで待つ時間が少ないのが良い。
静かな待合室で、心地の良い音楽を聴いて待つ瞬間も情緒があって良い。
そんな生活に新しい要素が加わり始めた。
まだ、学生だった頃のように琴似に行く機会が増えた。
地下鉄を使って移動すると手痛い出費だが、自転車で根性を出して移動すれば、
いい運動にもなるし、出費も抑えられる。
自分が学生だった頃とは大きく異なり、よく遊びに行くゲーセンにはほとんど
知っている人はいないが、その当時からの知り合いはまだ数人は居る。
ゲームで遊びより顔出しの方がメインかも知れない。
(普段帰省した場合も似たものだが・・・。)
通う途中には、郊外型のCD屋や本屋やゲームショップが合体した店が数軒ある。
その店によることも多くなった。収入が無くても毎週買っていた雑誌は買うし、
本当に欲しいゲームがあれば、買う位の多少の貯蓄はあった。
(実は引越しのために積み立てていたお金(爆))

そんな新しい要素が加わり、ますます充実?した生活を送っていた私。
今まで通り、週1〜2回は友人と会って遊ぶことも継続出来ていた。
ここまでは、今考えても何ら問題の無い生活形態だったと思う。

しかし、この頃からエミュレータの魅力の取り憑かれ始めていた。
探し出して、動かすまでの苦労、自分の探求心を擽っていた。
家の電話を使わず、手持ちの携帯電話を利用してネットするという今考えても
非常に無駄だと思うことをした。(請求書でびっくりしたのは言うまでもなし)
(電池切れで途中で通信が切れた時の悲しさは・・・。)
ついつい夜遅くまでやってしまうし、昼間もやってしまう。
当時、30時間までのコースだったが、気がつけば倍以上の時間繋いでいた。
う〜ん。インターネット中毒の意味を初めて身を持って体験してしまった。(^^;

そして、生活のリズムが乱れ始める中、リハビリのため、勉強を始める。
一見正しいことをしているようだが、実はこれがとんでもない罠だった。
勉強には、精神的負荷が掛かる。
自分の持っている知識レベルは維持したい!! 心に焦りがあった。
復職への期日はすぐ側まで迫っていた。
季節は、4月末。世間では何時の間にか?GWを迎えていた・・・。
いつもは、帰省して無理矢理(爆)友人を捕まえて遊ぶのだが・・・。
心に遠慮があった。
さまざまな要因が複雑に交わった。
その結果、GW中に休職生活最悪の精神状態に陥ることになる。


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