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【 PC−8801エミュレータとは? 】

●エミュレータとは?

ハードウェア機能をソフトウェアで擬似的に実現したものをエミュレータといいます。
つまり、PC−8801エミュレータとは、PC−8801以外のハードウェアで、
PC−8801のハードウェア機能をソフトウェアで実現したものを指します。
(DCやPS2などプラッドフォームは、なんでも良い。)
以下、88エミュレータと呼びます。

●エミュレータの再現度

個人的見解では、Win機で遊べる88エミュレータの再現度は
普通に各種ソフトを使う上で、ほとんど問題がないので、ほぼ完璧だと思います。
BASICのプログラムでも、マシン語のプログラムでも、動作します。
あの当時の荒いグラフィック(?)も見事に再現されています。
音の再現度もかなり高いです。
(実機からサウンドボードUのリズム音を取ればより再現度は高くなる)
しかし、MACでは、まともに動く88エミュレータは、存在しないので、
かなり辛いものがあります。(Virtual PC上のWindowsで動作させる等工夫が必要。)
現時点では、88エミュレータを使用したければWin機で遊ぶ必要があります。
(ペンティアム3以上であれば、ほぼ速度的に問題ないと思われる。)
とはいえ、MACでもj80は動作するみたいですし、MAC用エミュレータの開発も
かなり進んでいるみたいなので、今後、MACでも十分楽しめる環境が出来ると思います。

●再現度の問題

現在、世の中に存在する88エミュレータは、88に愛着のある人が個人的に作成したものです。
従って、88製造元であるNECがオフィシャルで協力している訳ではないので、
細かい面で、やはり再現度に問題があります。
・BASICからメモリマップを操作するとこける確率が高い。
(初期の市販ソフトでBASICを使っていると動作しないことが多い。)
・キーの同時押しの認識が甘い。
(Windowsの仕様上どうしょうもないらしい? 一般のキーボードでは3〜4つ程度まで)
 例えば、アンジェラスのミュージックモードに入るには、7つ同時にキーボードを
 押下する必要があり、これをエミュレータ上で再現する事は出来ない。
 今から考えると良く同時に認識していたと思う。
・テンキーの部分の構成がWin機と88で異なる為、一部の市販ソフトで
 遊ぶ事が事実上出来ない。(テンキー"=",","を使うもの 具体的にはミュール等)
(エミュレータによっては不可能ではないが、[NumLock]キーで切替えながら遊ぶのは辛い。)
当然のことながら、100%全てのソフトが動作する保証はありません。
動かない時は潔く諦めて、実機で楽しむ。その位の心構えが必要です。
それでも、昔を思い出すには、十分過ぎるレベルの再現度だと思います。

●こんな方にお勧め

88エミュレータはこんな方にお勧めです。
(1)今でも、88実機を愛用している人。
(2)88実機のディスク、テープを所有している人。
(3)当時88実機に対する憧れのあった人。
(4)出張中の新幹線や旅館で遊びたい人。(この前の長期出張時に本当に実行(爆))
今のソフトと比べると、当然見劣り(特に画像)するので、本当に88実機に対する愛情、
思入れのある人
以外には、88エミュレータは勧めません。
(人にぼろぼろにけなされ嫌な思いをした経験があるので・・・)

●有名な88エミュレータ

有名な88エミュレータは以下の通りです。
(88エミュレータ名をクリックすると、作者さんのHPに飛びます。)
個人的には、M88及びX88000を押さえておけば問題がないと思っています。
また、Macでは、PC88EMを押えれば大丈夫かと思います。

88エミュレータ名 短評
P88SR
p88sr for Anex86
元祖88エミュレータ。全てはここから始まった。
PC98でしか動作しないが、再現性はかなり高いらしい。
一部98エミュレータ上で多少動作するが、
重くて実用性に欠ける。
最近HPが荒れているような・・・。
今後バージョンアップされる可能性は低い。
PC88WIN
pc88win
最近バージョンアップがないため、
Win機88エミュレータの中では、影が薄い。
とはいえ、昔のゲームが動く確率が高い
88エミュレータなので、押さえておく必要性はあります。
今後バージョンアップされる可能性は低い。
X88000
X88000
テープデータに関しては最強。
唯一テープイメージのセーブが出来る88エミュレータ。
ROMBASICでしか動かないプログラムを
扱うのに重宝します。
但し、サウンド面が非常に弱い。
今後バージョンアップされる可能性は高い。
M88
M88
88エミュレータのスタンダード。
再現性、操作性、機能は、
他の88エミュレータを凌駕する。
これさえあれば、普通に使う分にはほとんど問題はありません。
今後バージョンアップされる可能性は低い。
MESS
MESS
マルチコンソールエミュレータ。
いつの間にかPC8801mk2SRに対応していました。
ただ、ディスクを上手く読み取ってくれないし、
特定のBIOSでないとCRCエラーになるので、いまいち。
今後バージョンアップされる可能性は低い。
j80
j80
JAVAで作成されたPC-8001エミュレータ。
画面色など細かなこだわりが見えます。
やはり開発言語の都合上、Winに特化した
エミュレータより重い感じがします。
今後バージョンアップされる可能性は高い。
PC88EM
PC88EM
MACで現在開発中の88エミュレータ。
何故か?readmeには私のHNがあります。
手元に環境が無いため、実際に使った経験は
有りませんが、今後期待を持てるエミュレータだと思います。
今後バージョンアップされる可能性は高い。
※M88のダウンロード時は、Ver2.15と最新版と一緒にダウンロードする必要があります。
(操作説明がVer2.15にしか入っていないため)

※MESSの場合、BIOS(M88形式)を、bios\pc88srlとbios\pc88srhに置きます。
ディスクイメージ(d88ファイル)を、software\pc88srlかsoftware\pc88srhに置きます。

※j80の場合、大概の人は、M88で作成したBIOSを使っているかと思います。
その場合、n80.romは、ほとんど場合、32KByteだと思います。
n80.romをpc-8x01.romにリネームして、_systemに置いた後、java -jar j80.jar -8X01で起動します。
※j80の場合、Linuxでも動くので、ファイル名の大文字・小文字には注意が必要です。

●必需品

88エミュレータを作者さんのHPからダウンロードしても、
そのままでは動作することが出来ません。
どの88エミュレータを動かす場合でも、88実機から吸い出したBIOSが必要です。
従って、88実機及びBIOSを吸い出すためのツールとハード(ツールによる)が必要です。
※実機を所有していない方が著作権者の許可なくBIOSを入手/使用すると
著作権法に抵触
するので、実機を所有していない人は、中古ハード屋(ハードオフなど)、
オークション等で、88実機を入手する必要があります。
(本体だけなら、機種によっては1000〜3000円+送料で入手可能)


【 BIOS吸い出し方法 】へ続く



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